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ロックバンド使って金を儲ける方法
マルコム・マクラレンという男がいる。 かつてあの伝説のロックバンド "セックスピストルズ"のマネージャーだった人物だ。
個人的にはあまり好きじゃないんだけど、一つのバンドを使って世界中にパンクムーブメントを巻き起こし、女王陛下をコケにし英国王室を侮辱しながらも、結局のところ英国をパンク産業大国にならしめ、祖国に経済的貢献をもたらした「ビジネスマン」としては評価している。
あれだけ世界中の音楽産業・ファッション産業に影響を与えた、"セックスピストルズ"であるが、現役中は実にたった一枚のアルバムしか発売していない。
けれどもそれがかえってこのバンドを伝説化させ、23歳の若さでヘロイン中毒死した"シド・ビシャス"はパンクの英雄となった。
短いバンド活動中にリリースされたシングルは発売されるやいなや片っ端から発禁処分を受けるから入手し辛く、ますますレア度が上がっていく。
マイナーバンドにもかかわらず大手のEMIレコードとの契約を果たし、そこから多大な違約金をぶんどったうえEMIとは離縁。
しかも契約サインを交わした場所は英国王室の総本山、バッキンガム宮殿の前であった。
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当時まだ20代の若さで、ロックビジネスの方法論を説いたマルコム・マクラレンと、ユニオンジャックをぼろぼろに引き裂いたデザインの、ピストルズのデビューシングル「Anarchy
in the U.K.」のジャケットのデザイン
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解散後すでに25年も経つというのに、いまだに"セックスピストルズ"は世界中のロッカー達が影響を受けるバンドのひとつであり、CDやDVD、T-シャツ等、ピストルズグッズは世界中で売れている。
このバンドの仕掛け人であるマルコムはいみじくも、『The Greatest Rock 'n'
Roll swindle (偉大なるロックンロールのペテン師)』という映画の中で、バンドを使って金儲けをする黄金律を説いている。
こんな具合にだ。
【黄金律 その1】
とにかくバンドメンバーには過激なことをやらせろ。 これでメディアが飛びつく。
そうすればタダで莫大な宣伝効果が期待出来るという訳さ。
【黄金律 その2】
名前が売れたら今度は露出は控えること。 これによって聴衆の欲求を煽りヒステリーを起させる。
後日、飢えたハゲタカはどんな獲物にも飛びつくようになる。
【黄金律 その3】
レコード会社との契約は大手に絞れ。金額はたいした問題ではない。
契約さえしてしまえば後はこっちの思うままだ。
大手が嫌気さして逃げるまでバンドに問題を起させ続ければいいのさ。違約金が目的だからな。
【黄金律 その4】
稼ぐだけ稼せがしたら、バンドはさっさと解散させること。
バンドの人気が絶好調の時点であることが肝心だ。
衝撃と悲しみにファンはいくらでも金を払う。
こんなふうにマルコム・マクラレンは大衆心理を熟知した上で、実行に移した有能なビジネスマンといえるだろう。 ビートルズは解散後、メンバー一人一人が現役時代の威勢を最大限利用しながらビジネスマンとしても成功し、世界中に影響を与え続けた。
一方マルコムの操り人形であったピストルズのメンバーは、派手に死んだシド・ビシャス、PILを結成したジョニー・ロットン以外はぱっとしないまま世間から忘れられている。
やはりピストルズは、彼の言うように”イマジネーションの産物”でしかなかったのかもしれない。
そして、ぼくはいまだに彼のイマジネーションに扇動され続けている大衆の一人・・・
というのがちょっと悲しい。
Dec. 06, 2003 (なおきち) |